第7回杏林大学保健学部診療放射線技術学科卒後研修会

 9月2日(土),保健学部診療放射線技術学科による第7回杏林大学保健学部診療放射線技術学科卒後研修会が開催されました.久しぶりに井の頭キャンパスにて対面のみの開催となり,70名が参加しました.今年も本谷啓太学術奨励賞の表彰が行われました.この賞は2018年に逝去された故本谷啓太先生の功績を称えるとともに,若手診療放射線技師の育成に対する本谷先生の情熱を受け継ぐために設けられた賞であり,放射線業務や研究において優れた業績を挙げた卒業生が対象となります.第3回受賞者の辻可菜愛さん(1期生)による本谷啓太記念学術奨励賞記念講演「カナダにおける診療放射線技師の資格取得」は,2022年にカナダの放射線技師を取得した経緯やカナダでの生活を紹介して頂きました.辻さんはカナダに在住なので講演はビデオでの上映となりましたが,海外の資格取得についての苦労や準備しておくことなど非常に有益な話を聞くことができました.特別講演「MRIを用いた運動生理学分野に関する研究と基礎原理の完全理解への挑戦」は診療放射線技術学科教授の俵紀行先生にご登壇いただき,MRIをスポーツ医学に応用した研究について詳しくご講演いただきました.スポーツ医学に対するMRIの応用は,数少ない分野なので大変貴重な講演となりました.どの講演においても非常に熱心に聴講されており,参加者の関心の高さがうかがわれました.

卒業生の声

 2023年9月2日に第7回診療放射線技術学科卒後研修会が開催された。今年は昨年と異なり、従来の現地開催のみという形式であった。感染症の収束を感じられ、卒業生含め医療従事者の方々に感謝の気持ちでいっぱいである。また学科設立10周年という節目でもあり、在校生と卒業生含め多くの参加者が見られたのは嬉しい限りであった。最初の講演は本谷啓太記念学術奨励賞表彰ならびにその記念講演として1期生の辻可菜愛氏より「カナダでの放射線技師生活」というテーマでご講演を賜った。時差の関係などでビデオでの講演となったが、実際の海外での診療放射線技師としての生活などを、ご自身の経験を交えてご教授頂いた。海外の放射線技師の業務内容や、免許所得までの苦悩、保険制度などあまり聞くことのできない内容であり興味を引かれた。昨今、グローバル化が進んでいる中、診療放射線技師も国内だけでなく、海外での活躍も珍しいものではなくなりつつある。そんな中、実際に海外で活躍されている方の公演を拝聴でき、これからのキャリアの良い刺激になった。次の講演は、本年より杏林大学に赴任された俵紀行先生の「MRIを用いた運動生理学分野に関する研究と基礎原理の完全理解への挑戦」というテーマでのご講演を拝聴した。これはスポーツ医科学やリハビリ医科学などをテーマとしていた。一見、診療放射線技師とは関係の無いように思えたが、MRIにより筋断面積を撮像することにより、この筋断面積を指標とすることで運動能力の向上につながるといった大変興味深い研究であった。また、運動能力の向上だけでなく、選手生命の延長などのスポーツ障害の防止にもつながるとのことであった。最後に閉会の挨拶では、橋本雄幸先生よりお言葉を頂戴した。私も初の現地参加であったが、先輩のご活躍や先生の研究に触発され、今後の技師生活への活力となり、この研修会の重要性を再確認できた。ご講演頂いたお二方、そして本研修会を企画運営いただきました診療放射線技術学科の先生方に心より感謝申し上げます。

診療放射線技術学科 第7期卒業生 関川光・八木祐樹